Vol.187

多様な導電部材をスクリーン印刷で代替

抵抗値の自由な設定が可能な導電インキのご紹介

電磁波シールド?靜電気対策を安価かつ効果的に実施したいお客様にお知らせです!

抵抗値の調整技術により、効果的な電磁波シールド?靜電気対策をスクリーン印刷で実現します。
また、センサー機器の品質向上?電?回路のコスト削減等に応?の可能性が広がります。

1. 電気抵抗値の自由な設定が可能な導電インキ

1.1 スクリーンインキ機能と自由な電気抵抗値の両立

當社の導電インキは、電気抵抗値 1.0 x 10-1 (Ω) から1.0 x 1010 (Ω) 以上と、 導電から非導電まで幅広く設定が可能です。
このインキにより、電磁波シールド?靜電気対策等を 安価で自由度の高いスクリーン印刷で行えるようになります。
また、この導電機能を他のインキに付與することで、センサーの品質向上や電子回路のコスト削減等に応用が可能になります。

 

用途 表面抵抗値(Ω) 主な効果
電磁波シールド

1.0×10-1から1.0×104

  • 電磁波の侵入を遮斷し、內部回路の誤動作を防止
  • 電磁波の漏洩を遮斷し、周辺機器の誤動作?健康被害等を防止
靜電気対策 1.0×104から1.0×1010
  • 帯電を防止し、靜電気による電荷放電?埃の付著を防止
  • 高抵抗値を設定し、外部からの電荷放電を防止
センサーの
品質向上支援
用途に合う抵抗値
  • センサーへの電磁波入射?靜電気放電による誤動作を防止
  • 靜電気による埃の付著を低減し、センシング感度を向上
電子回路の
コスト削減支援
用途に合う抵抗値
  • 電磁波シールド?靜電気対策等の機能を回路に付與
  • 電子回路素子(抵抗體等)?絶縁體の印刷による代替

 

1.2 導電インキの基本性能

標準で設定されている導電インキは、以下の通りです。下記以外の抵抗値も、インキ?印刷條件を 調整することで設定可能です。
例えば、表面抵抗率は、多層印刷にすることで単層印刷よりも低い値にすることが可能です。

 

インキ品名 膜厚(1層) 表面抵抗値 対応基材
MRX-HF 導電インキ 茶 14μm ≤ 1Ω PET、PCなど
MRX-HF 導電インキ グレー 14μm ≤ 200Ω 同上
MRX-HF 導電インキ 墨 10μm ≤ 10,000Ω 同上
GLS-HF 導電インキ 墨 8μm ≤ 2,000Ω 同上

 

1.3 導電インキの共通する優れた特徴

従來、電磁波シールドや靜電気対策は、金屬箔や導電材の塗裝等を利用する工法等で対応してきました。 しかし、導電インキを印刷する工法は、従來の工法と比較して、より安価で高い自由度を持つ優れた工法となります。

 

優れた特徴 詳細
高耐濕性?軽量薄型
  • 金屬箔?金屬の蒸著等と比較して濕度に強く、経時での性能劣化も少ない
  • 他の工法と比較して、同等の性能を軽量?薄型で実現
安価で自由度の高い
スクリーン印刷
  • 金屬箔の貼付け?導電材塗裝等と比較し、印刷という簡便で安価な工法
  • 他工法では困難な、抵抗値?導電性付與の部位?パターン等の調整が可能
加飾?その他の機能性との両立
  • 加飾インキへの導電性付與や重ね印刷等により、導電と加飾を両立
  • センサー対応(IR透過)機能等、他インキの機能と導電の両立も可能

2. 電磁波シールド用インキ

2.1 電磁波シールド用インキとは

電磁波シールド用インキは、導電性を有する塗膜が電磁波の侵入?漏洩を遮斷(シールド) するインキです。 このインキにより安価なスクリーン印刷で電磁波シールド機能を施すことが可能になります。
以下は、パソコン畫面から放射される電磁波(この例では、放射電界)を電磁波シールド用インキの印刷物で シールドした例になります。 放射電界が、左の通常時の計測値(128 (V/m))から右の計測不能(0 (V/m))までに低減されています。

パソコン畫面からの放射電界に対する電磁波シールド用インキのシールド効果

 

2.2 電磁波シールド用インキの印刷事例

MRX-HF 導電インキ 墨?グレー?茶の印刷例(原反:PC)です。 電磁波シールド機能と加飾とを両立し、工程削減に応用することが可能です。

電磁波シールド用インキの色見本3種類

3. 靜電気対策用インキ

3.1 靜電気対策用インキとは

靜電気対策用インキとは、帯電防止?ESD対策(electro-static discharge: 靜電気放電対策)等の機能を安価なスクリーン印刷で付與するインキです。
靜電気対策では、前提條件(使用環境?靜電気の発生原因等)と解決したい問題(帯電? 放電等)により、インキを印刷する部分の電気抵抗値を適切に調整する必要があります。 そのため、抵抗値や印刷部位を自由に設定できる靜電気対策用インキは、 最も優れた解決手段の一つとなります。

3.2 靜電気対策に利用する電気特性と表面抵抗率

靜電気対策に利用する電気特性分類と各対策の利點〇?欠點×は、以下の通りです。(參考:IEC61340-5-1,5-2基準)

 

利用する電気特性分類と
表面抵抗値 ρs(Ω)

特徴および靜電気対策への応用
靜電気導電性
1.0×102 ≤ ρs < 1.0×105
帯電しにくいが、電荷の移動速度が大きい。
〇 帯電しにくいため靜電気の発生源にならない。
× 帯電した物體が接觸すると放電発生のリスクがある。
靜電気拡散性
1.0×105 ≤ ρs < 1.0×1011
帯電しにくく、かつ電荷が緩やかに拡散する(帯電防止に使用される領域)。
〇 もともと帯電しにくく、帯電した場合も比較的緩やかに放電する。
〇 帯電した物質が接觸しても激しい放電が発生しにくい。
× 解決策(帯電條件?望む電荷減衰等)に合う抵抗値調整が必要となる。
絶縁性
1.0×1011 ≤ ρs
帯電しやすく、電荷が蓄積しやすいが、電荷の移動?拡散速度は小さい。
〇 帯電した物質が接觸しても通電しないため放電が発生しない。
〇 限定された條件下での放電リスク低減の解決策となる。
× 摩擦等により容易に帯電し、靜電気の発生源になる。

 

3.3 靜電気対策用インキの印刷事例

GLS-HF 導電インキ 墨?グレーの印刷例(原反:ガラス)になります。 靜電気拡散性領域の最適な抵抗値を設定することで帯電を防ぎ、電荷放電?埃付著等の問題を解決します。

 

4. センサー機器の品質向上への応用

4.1 センサー機器の品質向上への応用とは

センサー機器の品質向上への応用とは、埃の付著によるセンサーの感度の低下や電磁波の入射による センサーの誤動作を導電機能を用いて解決することで品質向上を実現することです。 これらの施策は、加飾工程との両立も可能なため、他の工法と比較して容易に実施することが出來ます。

 

センサー機器への
応用
得られる効果
靜電気対策
  • 筐體?受光口に帯電防止処置を施し埃付著を防止。センシング感度を向上
  • 筐體に靜電気による放電の対策を施すことで誤動作を防止
電磁波シールド
  • 筐體に電磁波シールドを施すことで誤動作を防止

 

4.2 センサー機器の品質向上への応用例

センサー受光口のセンサー対応インキおよび筐體を加飾するインキに靜電気対策を施すことで、 靜電気による受光口への埃付著を防止し、センサーの感度向上に貢獻します。

スクリーン印刷を用いた指紋認証機器

5. 電子回路のコスト削減への応用(詳細はご相談ください。)

5.1 電子回路のコスト削減への応用とは

電子回路のコスト削減への応用とは、電子回路に使用される素子や必要な機能を安価で自由度の高い 導電インキの印刷で代替することです。 この代替は、材料がスクリーンインキのためフレキシブル回路とも相性が良い工法となります。

(注)代替內容や解決したい問題により、印刷での対応が困難な場合もございます。 そのため、具體的な課題と印刷による解決の可否について一度ご相談をお願い致します。

 

電子回路基板への利用法 特徴
抵抗體の代替 (実現可能な抵抗値?印刷の性能値等は、ご相談ください。)

  • 抵抗値?印刷パターン?膜厚を調整することで最適な抵抗値を実現
  • 印刷のみで実現可能なため、部品および実裝工程を大幅に削減
その他電子素子の代替
  • 回路のショートカット等を防ぐ絶縁體をスクリーン印刷で実現
電磁波?靜電気対策
  • 電子回路からの電磁波の漏洩防止を印刷で実現
  • 靜電気の放電による電子回路の損傷防止を印刷で実現

 

5.2 電子回路素子の印刷での代替(寫真はイメージです。)

以下は、電子回路をスクリーン印刷の素子で代替するイメージ寫真になります。 なお、導電性と細線の両立については、限界値が條件により変わります。 電子回路素子(抵抗體等)の印刷での代替をお考えの際は、課題解決の可能性についてご相談ください。

スクリーンインキで印刷した電子回路をイメージした印刷物

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